二輪車乗車と脳の活性化の関係

2009年3月4日

「脳活性化の研究結果」資料

“二輪車乗車と脳の活性化の関係“についての研究結果発表について

東北大学加齢医学研究所
ヤマハ発動機株式会社

 国立大学法人東北大学(総長・井上明久/所在・宮城県仙台市青葉区片平2-1-1)の加齢医学研究所・川島隆太研究室とヤマハ発動機株式会社(代表取締役社長・梶川 隆/所在・静岡県磐田市新貝2500)は、昨年5月より「二輪車乗車と脳の活性化の関係」についての研究を行なってまいりました。このほど、実験結果がまとまりましたのでご案内いたします。
 この度の研究結果により、二輪車乗車と脳の活性化には以下の関係があることが証明されました。

  1. 二輪車に乗車することにより、運転者の脳が活性化されること
  2. 現役ライダーとブランクのあるライダーとでは、脳の使い方や活性化に違いが生じること
  3. 日常生活に二輪車乗車を取り入れることにより、様々な脳認知機能(特に前頭前野機能)が向上し、さらにメンタルヘルスにおいてもストレスの軽減や脳と心の健康にポジティブな影響を与えること

 川島研究室では、脳科学の知識と技術をいかし、何らかの外的刺激もしくは精神作業によって人間の脳機能や認知機能を維持・向上させ、その結果人々が健やかで豊かな生活を送ることが可能となる“スマートエイジング社会”を目指した研究を進めており、今回の実験はこの意図に基づくものです。
 ヤマハ発動機は今回の研究において、二輪車の提供、研究テストコースの提供、スタッフの派遣などの協力を行ないました。今回の研究の結果をいかし、今後の二輪車市場の活性化につながる取り組みを進めていきます。

<<研究の概要>>

【実験1】

目  的:「二輪車乗車により、脳(前頭前野)が活性化するか?」の実験
実  施:2008年6月7日?7月6日
場  所:スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)
計測機材:「携帯型光トポグラフィ技術試作機(日立基礎研)
使用機種:ヤマハ「XJR400」
被 験 者:現役ライダー11名、10年以上ブランクのあるライダー10名

【実験2】

目  的:「自動二輪運転の生活習慣が脳機能に与える影響」の検討
実  施:2008年6月27日?11日14日
場  所:静岡県磐田市及び周辺
検証方法:認知機能検査、メンタルヘルスに関するアンケート等 
使用機種:ヤマハ製オートバイ(250cc以上の手動クラッチ車)
被 験 者:自動二輪免許を所有し、
日常、自動二輪車を10年以上運転していない健常な被験者22名。

宮城県仙台市青葉区片平2丁目1-1
戦略本部棟3階
国立大学法人東北大学産学連携課リエゾン室
TEL/FAX 022-717-7988 担当:橋本

静岡県磐田市新貝2500
ヤマハ発動機株式会社 広報部 三澤、滝畠
TEL 0538-32-1145 FAX 0538-37-4250
 

ヤマハ発動機(株)との産学連携 ?二輪車運転と脳の活性化の関係?

実験1 自動二輪運転中の前頭前野活動の計測

実験方法
  • 携帯型光トポグラフィ技術試作機(日立基礎研)を用いて、オートバイ運転時の、大脳の前頭前野の活動を計測した
  • スポーツランドSUGO構内の外周道路の一部を使って、オートバイの運転を行った(08年6月、7月計4日間)。
  • ライダーは、中型以上の免許を所持している現役ライダー11名(平均年齢46.8歳)、10年以上のブランクがある元ライダー10名(平均年齢45.4歳)が実験に参加した(全員右利き)
  • この内、有効な脳機能計測データが得られた、現役ライダー5名(平均年齢45.6歳)と元ライダー6名(平均年齢46.2歳)のデータを解析した




結語

  • 世界で初めてオートバイ運転時の脳(前頭前野)の活動を計測した 現役のライダーと元ライダーとでは、オートバイ運転時の脳の使い方が異なることが明らかになった。
  • スポーツランドSUGO構内の外周道路の一部を使って、オートバイの運転を行った(08年6月、7月計4日間)。
  • 現役ライダーでは、運転時常に、左半球前頭前野が活性化すること、集中力が高まっていることが示唆された。

実験2 自動二輪運転の生活習慣が脳機能に与える影響の検討

実験方法

  • 自動二輪免許を保持し、日常自動二輪を運転していない、健常な被験者22名が参加した。
  • くじ引きにより被験者を生活介入群(43?53歳:平均47.9歳)と対照群(42?56歳:平均48.3歳)の二群に分けた。
  • 生活介入群は2ヶ月間の間、通勤など生活場面で自動二輪を使用するように指示をした。
  • 対照群は、普段通りの生活を行った。
  • 両群を対象として、実験の開始前、2ヶ月後の2回、後述する認知機能検査を行った。
  • さらに両群に、2ヶ月目に1回メンタルヘルスに関するアンケートを行った。









結語
  • 認知機能とメンタルヘルスの変化を、自動二輪を2ヵ月間生活の中で使った生活介入群と、自動二輪は使わずに普段通りの生活スタイルを2ヵ月間続けた対照群の間で比較検討した。
  • 自動二輪を生活の中で使うことにより、さまざまな認知機能(特に前頭前野機能)が向上した。
  • 自動二輪を生活の中で使うことで、脳と心の健康にポジティブな影響を与えると考えられる。

ご参考

東北大学が推奨するスマートエイジングについて

■エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること

アンチエイジングのように、高齢期を認めたくない・遭遇したくないという意味が込められたネガティブな概念ではなく、高齢期を知的に成熟する人生の発展期として積極的に受容しようというもので、高齢社会に対する考え方のパラダイムシフトの提案である

■スマートエイジングの必要最低限の条件:
 こころ(脳)も体も元気であること
こころ(脳)の元気と体の元気には密接な関係がある

  • こころが体に影響を及ぼす
  • 体がこころに影響を及ぼす

ところが、二十歳から脳(前頭前野の能力)は直線的に下がる

前頭前野にこだわり、この脳の働きは生活と質を支えているが、残念ながら年と共に機能が低下する、だから何かやることによって機能低下として防げないかと大学側も考えていた・・